2022.12.10
コラム

筋トレのやりすぎは逆効果!オーバートレーニング症候群とは?

筋トレのやりすぎは逆効果になるとご存じですか?
この記事では「筋トレのやりすぎで起こる症状」について解説します。

結論、筋トレは適切な頻度で行わなければ効果が出ません。
筋トレをやりすぎると様々な悪影響を及ぼす可能性があるので、注意してください。

その他にも「正しい筋トレの頻度」や「筋トレで逆効果にならないための注意点」についても解説するので、ぜひ筋トレを行っている人は、参考にしてください。

筋トレのやりすぎは健康に逆効果

筋トレのやりすぎは健康に逆効果

筋トレは、健康に良い面だけではありません。
一般的に筋トレは健康的なイメージですが、筋トレのやりすぎは逆効果になる可能性があるのです。

筋トレのやりすぎは、免疫力の低下や食欲低下、寝つきが悪くなったりイライラしたりするような、抑うつ状態になる場合もあります。
以下では、特に気を付けるべき「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)の症状」や、「筋トレが健康に逆効果になる研究報告」について解説します。

筋トレのやりすぎで起こる横紋筋融解症

横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)とは、筋肉細胞が破壊され、血中に流れ出すことで引き起こされる症状です。
破壊された筋肉細胞は腎臓などの臓器に影響を与え、腎不全の原因になります。
腎不全は最悪の場合、死に至る症状なので、注意しなければいけません。

また、横紋筋融解症になりやすいのは、運動不足の人ではなく、運動をしている人です。
ある程度トレーニングを経験している中~上級者や、元アスリートの人などこそ注意しなければなりません。

筋トレが逆効果になる研究報告

東北大学、早稲田大学、九州大学の研究チームは、筋トレと疾病・死亡との関連を検討した追跡研究を網羅的に収集し、結果を統合解析した研究結果を発表しました。
研究結果では、筋トレを行っていると、総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクが低くなると発表。
しかし、筋トレの実施時間が週130~140分を超えると、総死亡・心血管疾患・がんに対してリスクが高くなると発表しています。
筋トレによるメリットは当然あるものの、やりすぎは健康に逆効果です。

参考元:筋トレで死亡・疾病リスクが減少|早稲田大学

筋トレのやりすぎはオーバートレーニング症候群になる可能性

筋トレのやりすぎはオーバートレーニング症候群になる可能性

筋トレのやりすぎは、先述した横紋筋融解症の他にも「オーバートレーニング症候群」になる可能性があります。
オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングが長時間続き、疲労が蓄積した状態です。
オーバートレーニング症候群になってしまうと身体の回復が遅くなり、慢性的な疲労状態になってしまいます。

日常生活でも体が重く感じたり、体重が減少したりしてしまうなどの身体的症状と合わせて、不眠や不安症状などの精神的な症状も出てしまうので、気を付けるべき症状です。

オーバートレーニング症候群は筋トレ効果が出にくくなる

オーバートレーニング症候群は、筋トレ効果が出にくくなるといった症状があります。
筋トレは、筋肉が損傷した後に、休養や栄養補給によって、回復し成長していく仕組みです。

しかし、オーバートレーニング症候群の場合、筋肉に疲労が蓄積してしまい、休んでも筋肉の疲労回復ができなくなってしまいます。
疲労回復していない状態でトレーニングを行っても、さらに疲労が蓄積されるだけで、筋トレの効果は出ません。

不安障害などのメンタル悪化の可能性も

不安障害などのメンタル悪化の可能性も

オーバートレーニング症候群は、精神面にも悪影響を及ぼします。
主な症状は、倦怠感から来る精神面の不安定さです。

様々な意欲が低下してイライラしたり、眠れなくなってしまったりする可能性があります。
最悪の場合、抑うつ状態になるケースもあるので、十分に注意しなければいけません。

オーバートレーニング症候群の治療方法

オーバートレーニング症候群の治療は、しっかりと休んで栄養補給を行うことです。
病院に行けば治るものではないので、とにかく休むことを優先してください。

また、バランスのとれた食事を心がけましょう。
ビタミンB群やビタミンCを摂ると、回復が早くなると言われています。

症状が重くなればなるほど回復に時間がかかるので、早期発見が大切です。

オーバートレーニング症候群の診断方法

筋トレ中に体の違和感があれば、オーバートレーニング症候群を疑いましょう。
オーバートレーニング症候群で現れる症状は、ただの体調不良と勘違いしやすいので、注意しなければいけません。

わかりやすい症状としては、貧血や病気などにかかっていないにも関わらず、心拍数が増加したり血圧が上昇したりする症状です。
競技成績が急に低下した場合も、オーバートレーニング症候群の可能性があります。

筋トレのやりすぎを知らせる体のサイン

筋トレのやりすぎを知らせる体のサイン

オーバートレーニング症候群までいかなくとも、筋トレのやりすぎは体に何かしらのサインを出します。
主な症状は、以下の4つです。

・筋力が落ちる
・筋肉痛が抜けない
・パンプアップしない
・筋トレの翌日にだるいと感じる

いずれかの症状が現われたら、筋トレをやりすぎている可能性があります。

筋力が落ちる

筋トレをやりすぎを知らせるサインとして、明らかに筋力が落ちていると感じるケースがあります。
若干の筋肉量の変化であれば、気にする必要はありませんが、筋トレをやり過ぎている場合の筋肉量の落ち方は明らかです。

以前のパフォーマンスと比べて筋力が落ちたと感じたら、一度筋トレを中断して、休息するようにしましょう。

筋肉痛が抜けない

筋肉痛が抜けない

筋トレをやりすぎていると、筋肉痛が抜けない状態に陥ってしまいます。
筋トレというのは、筋肉をトレーニングで破壊して、回復することで筋肉量が高まる仕組みです。

しかし、筋肉痛が抜けない状態は、筋肉が回復ができていない状態です。
筋肉痛が抜けないと感じたら、筋トレのやりすぎの可能性があるので、一度ゆっくりと筋肉を回復させましょう。

パンプアップしない

通常であれば、筋トレを行えば、パンプアップが起きます。
パンプアップとは、筋肉の水分が増えて、筋肉の容量が大きくなることです。

しかし、筋トレをやりすぎている状態ではパンプアップが起きません。
パンプアップが起きない原因としては、疲れや栄養不足、筋トレのやりすぎが考えられます。

パンプアップはわかりやすい症状なので、パンプアップしないと感じるようになったら、筋トレを控えた方が良いでしょう。

筋トレの翌日にだるいと感じる

筋トレをした翌日にだるいと感じるのも、筋トレのやりすぎで起きる症状の一つ。
だるいと感じているのは、筋肉に疲労が蓄積されているからです。

または、エネルギーが不足していたり回復時間が足りなかったりする可能性があります。
少しでもだるいと感じるのであれば、無理に続けて筋トレを行う必要はありません。

正しい筋トレの頻度

正しい筋トレの頻度

筋トレをやりすぎないために、正しい筋トレの頻度を知っておきましょう。
適切な筋トレの頻度は、スポーツ経験者か初心者によって異なります。

以下の目安を参考にしてください。

・運動を始めたばかりの初心者……週に2~3回
・スポーツ経験者……週3~4回
・スポーツ選手……週4~5回

ただし、どのくらいの期間空けるかも重要です。
たとえば、初心者の場合、月・火とトレーニングをして、水~日まで休息では、効果を感じられません。

効果を最大限に得るためには、月・木をトレーニングにして、その他の日を休息にするといったように、中2~3日を休息にすると良いです。
同じ週2回でも、休息のとりかたで筋トレの効果が異なるので、上手に調整しましょう。

さらに以下では、筋トレに向いている時間帯や筋トレの負荷強度について解説します。

筋トレに向いている時間帯

筋トレに向いている時間帯は、基本的に夕方です。
人の体は、昼間から夕方にピークを迎えると言われています。

朝は筋肉が固まっている状態であるために、体温が上昇している午後の方が筋肉に刺激が入りやすいのです。
また、筋トレに効果のある成長ホルモンの観点でも、夕方の方が運動による分泌量が多いとされています。

筋トレを避けた方が良い時間帯

筋トレに向いている時間があるように、筋トレに向いていない時間帯もあります。
筋肉に向いていない時間帯は、以下の3つです。

・早朝……体が温まっていないため、心拍数や血圧が高くなりやすい
・就寝直前……寝つきが悪くなったり疲労が残りやすくなったりする
・食事後すぐ・食事から2時間後・空腹時……胃腸への血液循環が不十分となり消化不良を起こす可能性がある

それぞれの時間帯は、筋トレを行って健康を損なう可能性があります。

部位を変えれば毎日の筋トレも問題なし

部位を変えれば毎日の筋トレも問題なし

基本的に、筋トレは毎日しない方が良いです。
しかし、部位を変えて行うのであれば、毎日行っても問題ありません。

たとえば、腕・胸・背中・下半身などに分けて行えば、毎日筋トレを行っても負荷のかかる部分は異なります。
あくまで毎日同じ部位に負荷をかけるのが危険なので、毎日筋トレを行いたい場合は、日によって鍛える部位を変えましょう。

筋トレの負荷強度は「過負荷の原則」に従う

筋トレの負荷強度は、過負荷の原則に従って行いましょう。
過負荷の原則とは、より多くの負荷を与えることで身体が成長していくという理論です。

たとえば、5回持ち上げることのできる10kgの重量を使っていたとした場合、同じ10kgの重量を使い続けても効果は現れません。

筋トレで逆効果にならないための注意点

筋トレで逆効果にならないための注意点

筋トレのやりすぎで逆効果にならないためには、3つの注意点を守りましょう。
基本的に筋トレは健康に良いですが、注意点を守らなければ健康を害してしまう可能性があります。

注意点をしっかり守って行えば、筋トレが悪影響となる可能性を防げるでしょう。

注意点は、以下のとおりです。

・しっかり休息をとる
・長時間筋トレをやりすぎない
・栄養不足に注意する

しっかり休息をとる

筋肉を成長させるには、闇雲に筋トレを行うだけではなく、休養が大事です。
休養をしっかり行っておけば、筋トレによるデメリットは受けないと考えて良いでしょう。

筋肉を休ませるための目安となるのが、筋肉痛です。
筋肉痛は筋トレによって筋肉が傷ついている証拠なので、筋肉痛があれば無理せずに休みましょう。

筋肉痛による休養は、サボりではなく、筋肉の成長のために必要不可欠な時間です。

長時間筋トレをやりすぎない

長時間筋トレをやりすぎない

長時間の筋トレは、逆効果になる原因です。
トレの推奨時間は40分ほどとされています。

長時間の筋トレを行ってしまうと、テストステロンというホルモンが減少し、筋肉が成長できません。
長い時間行うのではなく、短時間で集中して継続的に行う方が効率的に筋肉を成長させられます。

栄養不足に注意する

筋トレを効率的に行うためには、体に十分な栄養素が必要です。
栄養素は、筋肉を成長させるためにはもちろん、回復のためにも必要になります。

筋肉の成長には、たんぱく質が重要というイメージがありますが、その他にも、脂質や炭水化物も重要です。
脂質や炭水化物が不足していると、体がエネルギー不足に陥り、筋肉が分解されてしまう場合があります。

とくに筋肉を成長させたいのであれば、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回っていた方が良いとされています。

筋トレを適切に行わなければ筋肉は成長しない

筋トレを適切に行わなければ筋肉は成長しない

筋トレは、やればやるほど良いものではありません。
無理に長時間行ったり回数を重ねたりしてしまうと、オーバートレーニング症候群などの可能性があります。

また、無理に筋トレを行っても、筋肉は成長しません。
しっかり休息をしながら筋トレを行うのが、一番効率的な方法です。

少しでも無理をしていると感じているのであれば、筋トレの回数や頻度を改めてみましょう。