2023.01.13
ウェイトトレーニング

ウェイトトレーニングとピラティスエクササイズの親和性

こんにちは!
パーソナルトレーニングジムGOODSUNPLUSの山口です。

当ジムはゴリゴリのウェイト器具(パワーラック、スミスマシン、ベルトスクワット、バーベル、ダンベル、ヘックスバー、スイスバー、ケトルベルetc)以外にもピラティスマシンのリフォーマーとチェアを導入しています。
※余談ですが名古屋でこのストレングス器具の充実っぷりでリフォーマーを置いているのは当ジムだけでしょう。

「ピラティスだかティラピスだか知らないが、筋肥大には不要!」
「私はただ高重量を持ち上げてマウントを取りたいだけなので、ピラティスは必要ありません。オホホホホ。。」

こういった考えの方も多いかと思います。

『ピラティスなんて俺には必要ない。俺にはこの鉄の塊だけが相棒さ』そんなふうに考えている時期が私にもありました。

今回はウェイトトレーニングをガンガンやっているマッチョにこそ、運動療法としてのピラティスエクササイズが超お勧めであることをお伝えしていきます。

【目次】ご興味のある記事からお読みください
1.ピラティスとは?
2.ピラティスの特徴
3.インナーマッスルとアウターマッスル
4.ウェイトトレーニングのデメリット
今回のまとめ

1.ピラティスとは?

ピラティスを私が語るのは中々におこがましいのですが、ピラティスは元々は第一次世界大戦中に負傷した兵士のリハビリのために、看護師であったジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスさんが開発したエクササイズです。

ジョセフという名前から分かるとおり男性です。
もっと言えば、ジョセフさんの写真のほとんどはパンツ一枚で自身が開発したピラティスエクササイズを行っているものばかりです。
※しかも写真のジョセフさんはまあまあおじさんです。
現代社会においておじさんのパンツ一枚は即アウトな案件の気もしますが、この方が開発したエクササイズが世界中で(主に女性)広まっているのは、やはりエクササイズそのものが素晴らしいからでしょう。

少し脱線してしまいましたがリハビリのためのエクササイズなので、トレーニングというよりはコンディショニングという側面が非常に大きいです。
ぶっちゃけて言ってしまうと、ピラティスを行ったからといって外見の大きな変化は余り期待できないです。

2.ピラティスの特徴

ピラティスには大きく2つの特徴があります。

脊柱の分節運動

脊柱は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨、尾骨から成り立っています。
いわゆる背骨ですね。

この26個の骨が連動して働き、体幹を支持したり体幹に可動性を与えます。
例えば頚椎に可動性が全くなければ首を動かすことはできません。
同様に胸椎に可動性がないと、体幹部の捻りを腰椎だけで生み出すことになり怪我に繋がる可能性も出てきます。

本来ならばそれぞれの骨が1個ずつ可動しつつ連動して働くのが理想なのですが、実際には大多数の方が脊柱が文字通り一本の柱のようになっており、身体を丸めたり反ったりする動きが苦手でいわゆる「硬い動き」になってしまっています。

脊柱を構成する骨を一つずつ動かすことを分節運動と言いますが、ピラティスは分節運動を修得して脊柱のコンディションを高めるには非常に効果的なエクササイズです。

分節運動こそがピラティスとその他のエクササイズを分ける大きな要素と言えます。

低閾値の運動

ピラティスやヨガといったボディワークは低閾値エクササイズであることが特徴です。

低閾値エクササイズとは最大筋力の10%~20%程度を必要とする運動を指します。
中閾値エクササイズは20%~50%程度。
高閾値エクササイズは50%以上といったところでしょうか。

厳密に定められているわけではなく、測定することも難しいのですが、おおよそこのくらいだというイメージを持っていただければと思います。

ウェイトトレーニングのような高閾値エクササイズばかりを行っていると、身体は低閾値のエクササイズが苦手になります。
ウェイトトレーニングをガンガンにやっている方がピラティスを始めてやると、自分が思っている以上に身体をコントロールできないことに驚くと思います。

どちらか一方が重要というわけではなく、どちらもできることが高いパフォーマンスを発揮するために必要になってきます。

低閾値エクササイズを行ううえで、大切になってくるのはリグレッションです。
ウェイトトレーニングは基本的にプログレッションがメインになっきますが、低閾値エクササイズを低閾値エクササイズとして行うには強度を上げるのではなく下げることがポイントになってきます。

自重を利用したエクササイズでは強度が高すぎて、本来刺激を入れたい筋に刺激が入らない場合があります。
そこで役立つのがピラティスマシンです。
ピラティスマシンを使うことで、動作をアシストしてくれるので正しい動作を適切な力発揮で行うことができます。
※低閾値エクササイズは力むとアウトなので、アシストが非常に重要になります。

3.インナーマッスルとアウターマッスル

運動指導者の方はインナー、アウターという表現は余り好きではないと思いますが、一般の方には伝わりやすいのでお許しを。

インナーマッスル

単関節を安定させる筋肉で。
低閾値(弱い力で働く)で持久力はある。
決して身体の内側にある筋肉を指すのではない。(棘下筋とか表層から触れますからね)
正しい関節運動を行うのは、インナーマッスルが適切に活動していることが大切。
どうでもいい情報として、ローカルマッスルやトニックマッスルという呼び方がある。

多裂筋や深層外旋六筋、回旋腱板などがこれにあたる。
ピラティスは主にインナーマッスルを刺激するトレーニングです。

アウターマッスル

大きな力を必要とする活動で働く筋肉。
高閾値(強い力で働く)で疲れやすい。
関節の細かいコントロールは苦手。
どうでも良い情報として、グローバルマッスルやフェージックマッスルという呼び方がある。

大臀筋や広背筋など、ウェイトトレーニングで鍛える筋肉がこれにあたる。

4.ウェイトトレーニングのデメリット

デメリットと書くと少し大袈裟ですが、高強度ウェイトトレーニングを行うことで生じる事象を紹介します。

抗重力筋の過緊張による出力低下

抗重力筋とは姿勢を保持するために重力に抵抗する筋肉です。
具体的には脊柱起立筋、広背筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋などを指します。
ウェイトトレーニング、特に立位で行う種目は抗重力筋が常に緊張して姿勢を保持しています。

適切な筋緊張は必要ですが、高強度のウェイトトレーニングだけを行っていると抗重力筋の過緊張が起こりやすくなります。
何を持って過緊張というか難しいところではありますが、いわゆる腰の張りや太もも前側の張りが常にある状態です。
ウェイトトレーニングをやっていない人でも、こういった症状の方は多いですがそもそも重力下で生きている限り抗重力筋は過緊張になりやすいです。

過度な筋緊張は筋の出力を低下させると言われています。
これは過度の緊張によって、脳が「これ以上力を出すのは危険だ」と判断して無意識に出力を抑制させるからです。

脱力の振り幅が大きいほど一撃の威力が上がるって郭海皇も言ってましたよね。
※バキシリーズ読んでない人ごめんなさい。

脊柱の屈曲制限

ウェイトトレーニングは基本的に脊柱をニュートラルに保ち行う運動です。
もちろんエクササイズによって丸めたり反らしたりするものもありますが、ほとんどのエクササイズは脊柱をニュートラルに保つ努力をしながら行います。

特にスクワットやデッドリフトといった高重量を扱う種目は脊柱の伸展筋群がフルに力を発揮して、脊柱が屈曲方向に動かないようにニュートラルを保てるように働きます。

脊柱の伸展筋群を活動させる運動(立位での全ての活動)を高負荷で行っていると、脊柱を丸めるのが下手くそになってきます。
試しにスクワットやデッドリフトを行った後に、前屈を行ってみてください。
恐らく普段よりも身体が丸まらず、地面を遠く感じることかと思います。

脊柱の屈曲制限が常態化してしまうと、伸展筋群の過緊張による筋出力低下や腰痛の原因となってしまいます。

今回のまとめ

トレーニングの順番としては低閾値運動から高閾値運動へと移行していくのが理想です。
低閾値で活動する筋肉が適切に働いていないと、関節の安定を高閾値で活動する筋肉に依存してしまうことになり、非効率な運動が形成されてしまうからです。

低閾値で活動する筋肉が適切に働いてこそ、初めてウェイトトレーニングのような高閾値運動がハイパフォーマンスで行えます。

どちらが良い悪いという次元の話ではなく、トレーニングをする順番の話です。

ウェイトトレーニングだけに限らず、日常生活で同じ姿勢をとり続けているような方はまずは低閾値の運動から始めてみてください。
ピラティスではなくても良いのですが、マシンピラティスは低閾値の運動としては最強クラスだと個人的には考えています。
機会があれば是非お試しあれ。

最後に宣伝。
パーソナルトレーニングジムGOODSUNPLUSではハードなウェイトトレーニングだけではなく、マシンピラティスも提供しています。
ピラティスで身体を整えてから、高強度のトレーニングに移行する。
どうせハードにやるならコンディションの良い状態でやりたいものですよね。
ご興味のある方はコチラまで。

最後までお読みいただきありがとうございます。

山口