2024.12.14
ウェイトトレーニング

はじめてでもわかるデッドリフト-正しい動作と効果的なプログラムがわかる-

こんにちは!
名古屋駅でパーソナルトレーニングジムGOODSUNPLUSを運営している山口です。
今回はデッドリフトの解説をさせていただきます。

1.ヒップヒンジの重要性

デッドリフトの基礎となるのがヒップヒンジの動作です。これは単なる前屈みではなく、股関節を蝶番のように使用する高度な動作パターンです。適切なヒップヒンジを習得することで、腰椎の過度な屈曲を防ぎ、ハムストリングスとグルートの効果的な活性化が可能となります。

ヒップヒンジの習得には、まずウォールタッチから始めることをお勧めします。壁から30cm程度離れて立ち、お尻を壁に触れるように後ろに押し出しながら上体を倒していきます。この際、膝の屈曲は最小限に抑え、脊椎は中立位を維持します。背中が丸まらないよう注意を払いながら、ハムストリングスに伸張感を感じるところまで降ろしていきます。

2.ショルダーパッキング

肩甲骨の適切な位置取り(ショルダーパッキング)は、上背部の安定性確保と、バーベルの適切な軌道を実現する上で極めて重要です。肩甲骨を下制、後傾させ、バーを折り曲げる感覚を維持します。これにより、上背部の筋群が活性化され、バーベルを身体に近い位置でドラッグすることが可能となります。

3.腹圧

デッドリフトにおける腹圧の生成は、脊椎の保護と力の伝達効率を高める上で不可欠です。適切な腹圧を作るためには

1. リフト開始前に深い呼吸を行い、横隔膜を下げる
2. 腹部を360度に膨らませる意識を持つ
3. 息を止めた状態で腹部に圧を加える
4. リフト中はこの圧を維持する

この腹圧は、体幹を筋肉の鎧で覆うようなイメージで維持します。

4.ファーストプル

バーベルが膝を超えるまでの最初の動作段階であるファーストプルは、デッドリフトの成功を左右する重要なフェーズです。このフェーズでは

1. バーベルと脛の距離を最小限に保つ
2. 肩甲骨は引き寄せたまま
3. 腕は完全に伸ばし、ロープのように使用
4. バーベルは真っ直ぐ上に引き上げる

特に注意すべき点は、このフェーズで膝が前に出すぎないようにすることです。

5.筋肥大のためのプログラム

筋肥大を目的としたデッドリフトのプログラムでは、中程度の重量で総ボリュームを重視します。

週1回のデッドリフトプログラム例
■ウォームアップ:体重の40-50%で2-3セット
■メインセット:70-80%の重量で4セット×6-8レップ
■バックオフセット:60-65%の重量で3セット×10-12レップ

補助種目
■ルーマニアンデッドリフト 3セット×10-12レップ
■グッドモーニング 3セット×12-15レップ
■ハイパーエクステンション 3セット×15-20レップ

6.最大筋力向上のためのプログラム

最大筋力の向上を目指す場合は、高強度・低レップ数のアプローチを取ります。

8週間プログラムの例
第1-2週
■75%1RM 5セット×5レップ
■休息時間:3-4分

第3-4週
■80%1RM 4セット×4レップ
■休息時間:4-5分

第5-6週
■85%1RM 3セット×3レップ
■休息時間:5分

第7-8週
■90%1RM 2セット×2レップ
■95%1RM 1セット×1レップ
■休息時間:5-7分

補助エクササイズ
■デフィシットデッドリフト
■ポーズデッドリフト
■ラックプル

プログラム実施上の注意点

1. 適切なウォームアップを必ず行う
2. フォームの崩れが見られた時点でセットを終了
3. 疲労の蓄積に注意を払い、必要に応じて調整
4. 定期的なデロード週を設ける

最後に、デッドリフトは非常に効果的な種目である一方で、技術的な要素が多く、適切な習得には時間と注意が必要です。
特に初心者は、軽い重量から開始し、各技術要素を段階的に習得していくことを推奨します。また、定期的なフォームチェックとフィードバックを受けることで、より安全で効果的なトレーニングが可能となります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
パーソナルトレーニングジムGOODSUNPLUS
山口