効率的な筋トレの順番は?大きな筋肉から鍛える理由と簡単自重トレーニング
筋肉トレーニングをするときに、順番を気にしていますか?
筋トレの鉄則は大きい筋肉からといわれています。
なぜ大きい筋肉から筋トレをする必要があるのでしょうか?
そもそも大きい筋肉とは?
効率的に筋トレをスタートさせたいと考えている方は、ぜひ参考になさってください。
この記事でわかる内容
・大きい筋肉から筋トレする理由
・効率的な筋トレのポイント
・具体的に大きい筋肉とは
・筋肉の回復期を知っておこう
大きい筋肉から筋トレする理由
人間の体内には、大きい筋肉から小さい筋肉も合わせると合計640個もの筋肉があるといわれています。
筋トレをするなら、大きな筋肉から鍛えるのが鉄則です。
なぜ大きい筋肉を優先的に鍛えるべきなのでしょうか。
その理由は、こちらの3つです。
・大きい筋肉からやると効率的
・大きい筋肉は体力&集中力を使う
・代謝があがり見た目の変化がわかる
理由をきちんと理解して、正しい筋トレにつなげていきましょう。
大きい筋肉からやると効率的
大きな筋肉を鍛えるためにトレーニングをすると、自然と周りの筋肉や関節も動かします。
そのため大きな筋肉を鍛えれば、周辺の小さな筋肉も鍛えられますので効率的な筋トレができるようになります。
順番を間違えて小さな筋肉を先にトレーニングしてしまうと、後に大きな筋肉を鍛える際には筋肉が疲弊してしまいます。
すると大きな筋肉が充分にトレーニングできず、効率の悪い筋トレになってしまいます。
大きい筋肉は体力&集中力を使う
大きな筋肉を鍛えるには、体力も集中力も必要です。
筋トレを始めたばかりの体力と集中力があるうちに、大きな筋肉を鍛えた方がトータル的によい筋トレとなります。
小さな筋肉から鍛えて、大きな筋肉のトレーニング時に体力や気力が残っていないということがないように気を付けましょう。
代謝があがり見た目の変化がわかる
小さい筋肉よりも大きい筋肉の方が、筋トレの成果が目に見えやすいという特徴があります。
筋トレを始めたばかりの頃は、成果が見えるとモチベーションにもつながります。
大きい筋肉は代謝アップにもなりますので、筋トレの効率もさらに上がっていくでしょう。
変化を感じやすい大きな筋肉は、辛い筋トレのメンタル維持にも効果的です。
効率的な筋トレのポイント
大きな筋肉から筋トレを始めるという以外にも、筋トレのポイントがあります。
より質の良い筋トレを目指して、理想的な筋肉を仕上げていきましょう。
・多関節種目から筋トレする
・フリーウエイトから始める
・有酸素運動と合わせる場合
筋トレで意識したい3つのポイントについてお伝えします。
多関節種目から筋トレする
筋トレには、多関節種目と単関節種目という分類があります。
・多関節種目(コンパウンド種目)……たくさんの関節が同時に動く種目
・単関節種目(アイソレート種目)……一つの関節しか動かない種目
例えば、多関節種目は懸垂やスクワットなど。
単関節種目は、ダンベルフライやレッグカールなどです。
多関節種目のメニューは、たくさんの関節を動かすので自然と周りの小さな筋肉も鍛えられます。
大きなパワーで刺激を得られるメニューとなり、単関節種目よりも先に行うことで効率アップになります。
一方、単関節種目は集中して鍛えたい部分だけにアプローチができる方法です。
多関節種目で刺激を与えた後、単関節種目のメニューが必要であればプラスするようにしてください。
フリーウエイトから始める
フリーウエイトとはマシンを使わずに、バーベルやダンベルなどを用いて行うトレーニングです。
マシンで固定されずに筋トレできるので、踏ん張る力が必要になり、目的以外の筋肉や体幹も同時に鍛えられる方法です。
大きい筋肉を多関節種目、高重量で鍛えられると理想的です。
ただしフリーウエイトはフォームが崩れやすいというデメリットもありますので、初心者の場合はプロのトレーナーに指示をもらうなど、怪我に注意しながらトレーニングしましょう。
有酸素運動と合わせる場合
酸素をエネルギーとして消費する、マラソンやウォーキングのような運動を有酸素運動と呼びます。
筋トレは無酸素運動となり、体内の糖をエネルギーとして消費していきます。
どのような目的で筋トレ(無酸素運動)と有酸素運動を合わせるのかによって、合わせ方が異なります。
ダイエットが目的の場合
ダイエットが目的で筋トレと有酸素運動を合わせる場合は、筋トレを先に行います。
筋トレによって分泌される成長ホルモンやアドレナリンが、有酸素運動の際の脂肪燃焼効果を高めてくれるからです。
筋トレでは集中力や体力が必要になりますので、先に行うことで双方のパフォーマンスを上げることができます。
筋肥大が目的の場合
筋肥大が目的の場合は、同日に筋トレと有酸素運動を取り入れるのは望ましくありません。
有酸素運動では体内のグルコースを消費してしまいますので、筋トレの際に筋肉にグルコースを送りこめなくなってしまいます。
有酸素運動よりも先に筋トレをすれば、問題がないというわけでもありません。
筋肥大の効率化には、運動直後にタンパク質と炭水化物を摂取できるとよいでしょう。
そのため筋肥大が目的の場合には、有酸素運動は同日に行うメリットはありません。
具体的に大きい筋肉とは
具体的にどこの筋肉が大きい筋肉で、筋トレを優先すべきなのでしょうか。
下半身には全体の70%の筋肉が集まっているともいわれていますので、下半身の筋肉を意識してみましょう。
人間の体の筋肉で代表的な大きい筋肉5箇所と、筋トレメニューをご紹介します。
・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)/太もも表
・下腿三頭筋(かたいさんとうきん)/ふくらはぎ
・ハムストリング/太もも裏
・大殿筋(だいでんきん)/お尻
・三角筋(さんかくきん)/肩
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)/太もも表
大腿四頭筋とは、太ももの前側にある4つの筋肉をまとめた部分を指します。
・大腿直筋(だいたいちょっきん)
・外側広筋(がいそくこうきん)
・内側広筋(ないそくこうきん)
・中間広筋(ちゅうかんこうきん)
この4つを合わせた大腿四頭筋は、人間の体の中で最も大きな筋肉となります。
これらの筋肉は、膝の健康やスクワット、ジャンプやランニングに必要なものです。
大腿四頭筋を優先的に鍛えると、下半身の柔軟性が増して安定し、筋トレの幅を広げていけるようにもなるでしょう。
大腿四頭筋の筋トレメニュー「ノーマルスクワット」
スクワットにも種類がありますが、最もシンプルなノーマルスクワットをご紹介します。
自重トレーニングなので、自宅など場所を選ばずにトレーニングできます。
1.足を腰幅に開いて、つま先はやや外側に向ける
2.背筋を伸ばして、股関節から折り曲げるようにお尻を落としていく
3.太ももと地面が平行になったらキープ
4.ゆっくりと元の姿勢に戻る
この上下運動を10~20回を1セットとして繰り返します。
慣れてきたらセット数を増やすなど、無理なく負荷をかけていきましょう。
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)/ふくらはぎ
下腿三頭筋とは、ふくらはぎにある筋肉で2つの筋肉を合わせた部分を指します。
・腓腹筋(ひふくきん)
・ヒラメ筋
どちらもつま先立ちをするときに曲げ伸ばしする筋肉で、日常生活でよく使われている筋肉です。
下腿三頭筋を鍛えていくと、運動機能が向上しますので、足が疲れにくくなったり、つりにくくなったりという変化が出てくるでしょう。
下腿三頭筋の筋トレメニュー「カーフレイズ」
下腿三頭筋を鍛える、スタンディングカーフレイズをご紹介します。
こちらも自重トレーニングで立ったままできるので、テレビを見ながらなど自宅のちょっとした隙間時間に取り入れるのも可能です。
1.足を肩幅程度に開いて、手はそっと壁に添える
2.背筋を伸ばして、かかとを上げて背伸びの状態にする
3.1秒キープしておろしていく
上記のスタンディングカーフレイズを、20~30回を1セットとして鍛えていきます。
カーフレイズにはバリエーションがありますので、慣れてきたらアレンジをしてみてもいいでしょう。
・ダンベルを持って行う「ダンベルカーフレイズ」
・片足ずつやる「ワンレッグカーフレイズ」
・ジャンプしながらやる「ジャンピングカーフレイズ」
・腕立て伏せのような姿勢になる「ドンキーカーフレイズ」
・マシンを使う「レッグカープレイス」
最初は壁に寄りかかりすぎないように注意して、下腿三頭筋を意識しながらカーフレイズを行っていきましょう。
ハムストリング/太もも裏
ハムストリングとは、太ももの裏側にある筋肉をまとめて指す筋肉です。
太ももの裏側の3種類の筋肉をまとめた総称で、こちらの筋肉で構成されています。
・大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
・半膜様筋(はんまくようきん)
・半腱様筋(はんけんようきん)
ハムストリングは走ったり、ブレーキをかけたりする際に使われる筋肉で、スポーツをしている人には重要な筋肉です。
ハムストリングを鍛えると基礎代謝がアップし、お尻の脂肪がなくなっていきます。
ハムストリングの筋トレメニュー「レッグカール」
普段運動をしない方でも簡単に取り組めるレッグカールをご紹介します。
負荷は軽いですが、丁寧に取り組めばハムストリングを鍛えられます。
1.うつ伏せに寝っ転がる
2.両手は顔の前において、溝内付近まで浮かせる
3.両足のかかとをお尻に着けるようにゆっくり曲げていく
4.ゆっくり戻す
立って片足ずつ行う、スタンディングレッグカールも初心者向けの筋トレです。
20回1セットを目安に続けて行います。
慣れてきたらチューブを使うなどして、負荷をかけていきましょう。
大殿筋(だいでんきん)/お尻
大殿筋とは、お尻を覆うようについている大きな筋肉です。
中殿筋、小殿筋と合わせて「殿筋群」と呼ばれます。
大殿筋を鍛えると、基礎体力やスポーツのパフォーマンスが向上します。
また坐骨神経痛の症状を和らげる効果も期待できますので、長時間座っている人や普段運動不足だと感じている人は、意識したい筋肉です。
大殿筋の筋トレメニュー「ヒップリフト」
自重トレーニングで手軽に取り組めて、同時にハムストリングも鍛えられるヒップリフト。
簡単な動きですが、大殿筋を意識して丁寧に取り組みましょう。
1.仰向けに横になり、膝は90度に曲げる
2.お尻を持ち上げて、肩・腰・膝を一直線にする
3.お尻を上げて3秒キープ
4.ゆっくりと元に戻る
10回を1セットとして、ゆっくり繰り返していきましょう。
呼吸をとめないように、またお尻を上げすぎないで体が一直線になる状態を意識して行いましょう。
三角筋(さんかくきん)/肩
三角筋は肩を覆うようについている、腕の付け根の筋肉群です。
前部・中部・後部に分かれていて、バランスよく鍛えていくのが理想的です。
・三角筋前部……腕を前に上げる動き
・三角筋中部……腕を横に広げる動き
・三角筋後部……腕を後ろに引く動き
三角筋は負荷をかけるのが難しいので、効果的なトレーニングを理解し、正しいフォームでトレーニングしましょう。
三角筋の筋トレメニュー「パイクプレス」
お尻を高くあげた状態で行う、腕立て伏せのようなトレーニングです。
トレーニング器具の不要な自重トレーニングなので、覚えておくといつでもトレーニングできます。
1.肩幅よりも拳2つ分ほど広めに手をついて、四つ這いになる
2.肘と膝を伸ばして、お尻を高い位置にあげる
3.肘を外側に曲げていき、頭と床を近づけていく
4.ゆっくり元にもどす
10回を1セットとして、慣れたら回数を増やしていきます。
腰の角度は90度をキープして、正しく肩に負荷がかかるよう注意しましょう。
筋肉の超回復を知っておこう
効率よく筋トレをするために知っておきたいのが、超回復です。
筋トレをすると筋組織が破壊され、筋肉の細胞が一時的に壊れた状態になります。
破壊された筋組織は以前よりも強く回復しますので、筋トレを繰り返すことで筋肥大が起きます。
筋トレの超回復の目安は48~72時間といわれています。
筋トレの順番を知って効率的に
筋トレは大きな筋肉を鍛えれば、全体的に効率よく鍛えられます。
まずは下半身にある大きな筋肉を意識してトレーニングを開始しましょう。
どんな体形を望むのか、理想の筋肉をイメージして、必要があれば小さな筋肉にもアプローチしていきます。
全身のスタイルを意識して、無駄のない筋トレと体を目指していきましょう。