デッドリフトをガッツリ解説。
こんにちは!
パーソナルトレーニングジムGOODSUNPLUSの山口です。
今回のテーマはデッドリフト!
デッドリフトと言えば、
「あ~ビッグ3で1番地味なやつね」
「腰が張るだけで何処を鍛えてるか分からないんだよね」
「ボディメイクに必要ないって聞いたことある」
「ジムの隅っこでやってる人いるよね」
など非常に不名誉な印象を持たれている種目かとおもいます。(私だけ!?)
今回はそんなデッドリフトの名誉回復と巷で争われてる問題など、デッドリフトに関して丸っとご紹介していきたいと思います。
これを読めばあなたも今日からデッドリフトをやらずにはいられなくなるはず!!
【目次】ご興味のある記事からお読みください
1.デッドリフトはどんな運動?
2.デッドリフトは何処を鍛える論争に終止符を打とうじゃないか
3.デッドリフトやると背中にバキバキの筋肉痛くるんですけど!!
4.遅発性筋肉痛はネガティブがキーポイント
5.デッドリフトからの派生種目
今回のまとめ
1.デッドリフトはどんな運動?
ひょっとしたらデッドリフトを知らない方もいるかもしれないので、まずはデッドリフトをご紹介。
デッドリフトは地面に置かれたバーベルを、腕をまっすぐに伸ばして直立するまで持ち上げる動作です。
非常にシンプルな動作で高重量を扱える種目ですが、バーベルを持ち上げる時に腰が丸まっていたり、バーベルが身体から離れすぎていたりすると腰痛の原因になります。
また動作中は片時も気を抜くことなく、体幹部を固めながら動作を行う必要があるので、筋力的にも心肺機能的にも非常にハードな種目です。
まぁジムで敬遠される理由も分かりますよね…
鍛えられる部位はお尻やもも裏、背中など身体の背面の筋肉全般ですが、ここは人によって意見が分かれるところでもあります。(後述します。)
2.デッドリフトは何処を鍛える論争に終止符を打とうじゃないか
「デッドリフト何処鍛える問題」は古来からトレーナーやトレーニーの間でしばしば意見が対立します。
かたや
「デッドは背中に決まってんだろ!」
「背中デカいやつは総じてデッドも強い!」
かたや
「機能解剖やバイメカ知らない脳筋が!デッドはどう考えても脚の種目だろうが!!」
「LowerPullの種目に決まってんだろ!素人が!!」
っとボディメイク系に傾倒している方と、パフォーマンストレーニングに傾倒している方との間で、モンタギュー家とキャピュレット家もビックリの血で血を洗う抗争が勃発しております。
※モンタギュー、キャピュレットはシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」からの引用です。そもそもそこまで争いは起きてはいませんが…
デッドリフトに限らずですが「メインで鍛えられる筋肉=主働筋」を考える時は、最も大きい関節運動を起こす筋肉の中で最近位のものを主働筋と考えると良いかと思います。
※最近位とは身体の中心に最も近いという意味です。
例えばベンチプレスで考えると、動作としては肩関節の水平屈曲と肘関節の伸展です。
最も大きい関節運動は肩関節の水平屈曲で、その働きを担っている筋肉で身体の中心に最も近い筋肉は大胸筋です。
つまりベンチプレスの主働筋は大胸筋と定義づけられるわけです。
これをデッドリフトに当てはめて考えると、動作は股関節の伸展、膝関節の伸展、肩関節の伸展です。
その中で最も大きい関節運動は股関節の伸展です。
股関節の伸展は大臀筋とハムストリングスの2つの筋肉が担っていますが、身体の中心に近いのは大臀筋です。
つまりデッドリフトの主働筋は大臀筋と定義づけられるわけです。
結論、デッドリフトの主働筋は大臀筋、めでたしめでたし。
っとパフォーマンス系の人達が正しかったという事で終わるのは簡単なのですが、デッドリフトをしっかりやり込むとそう簡単にはいかない問題が出てきます。
3.デッドリフトやると背中にバキバキの筋肉痛くるんですけど!!
そうなんです。普通に考えたらデッドリフトはケツがメインの種目です。
LowerPullが正しい分け方なんです。
しかし、ケツハムにも来るんですがそれ以上に背中に来るんですよ。
筋肉痛が。
「筋肉痛と筋肥大の相関関係はない!」
「最大筋力向上狙いなら筋肉痛は来ない方が良い!」
という意見は百も承知ですが、今回は横に除けます。
デッドリフト背中派は恐らく自分でデッドリフトをやりこんだ結果、デッドは背中の種目だという結論に達したのだと思われます。
私も主働筋は大臀筋という認識はありますが、デッドリフトは比較的背中の日に組み込む事が多いです。
だって背中めっちゃ疲労するから…
では何故背中に筋肉痛がくるのでしょうか?
デッドリフトで怪我をしないために最も重要なことは脊柱をニュートラルに保つことです。
脊椎は頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)があり、その下に仙椎、尾骨があり成り立っています。
脊柱をニュートラルに安定させることがデッドリフトには不可欠になります。
細かく見ると、脊柱を前面から安定させる筋肉、後面から安定させる筋肉に分かれます。
前面から安定させる筋肉は
・腹直筋
・外・内腹斜筋
・肋間筋
などがあげられます。
腹筋群全体を収縮(ブレイシング)させ、腹圧を高め脊柱前面の安定性を高めます。
後面から安定させる筋肉は
・脊柱起立筋
・広背筋
・僧帽筋中部・下部
・多裂筋
などがあげられます。
これらの筋肉が収縮することで脊柱後面の安定性が高まります。
動作中これらの筋肉は常に力を発揮しています。
いわゆるアイソメトリックス収縮ってやつですね。
デッドリフトで背中を使うというのは、この部分が大きく関与してきます。
しかしアイソメトリックス収縮の刺激だけで、2~3日筋肉痛が残るのも疑問が残るところではあります。
4.遅発性筋肉痛はネガティブがキーポイント!!
ウェイトトレーニングで長く残る筋肉痛はエキセントリック収縮(遠心性収縮)、筋トレ界においてはネガティブワークという運動で起こります。
どういった運動かというと、重りを持ち上げるときでは無く、重りをコントロールしながら降ろす時。
例えばスクワットであればしゃがむ時、ベンチプレスであればバーベルを胸に降ろす時、デッドリフトであればバーベルを床に降ろす時です。
この時、筋肉にはストレッチ方向への負荷が掛かるのですが、このストレッチ方向への負荷が筋繊維に微細損傷という目に見えない細かな傷を負わせます。
微細損傷後の炎症反応などが、遅発性筋肉痛と呼ばれる長く残る筋肉痛の原因と考えられています。
デッドリフトの場合は背中が重りに負けてしまうと、背中が丸まり怪我の危険性が一気に高まります。
なので、背中を丸めない為にも常時背中の筋肉で肩甲骨を正しい位置にキープする必要があります。
デッドリフトで背中が強烈な筋肉痛になる主な理由としては、ネガティブワークのフェーズにおいて背中全体に強烈な負荷が掛かるからであると考えられます。
数ある種目の中でも最も高重量が扱える種目の一つであるデッドリフト。
他の背中の種目では掛ける事のできない高負荷が、関節運動を起こしていないとは言え動作のほぼ全局面で背中の筋肉に掛かってきます。
背中が発達しそうですよね!?
いや、どう考えても発達しちゃうでしょ!!
以上の理由から私はデッドリフトを背中の日に入れる事が多いです。
5.デッドリフトからの派生種目
デッドリフトの派生種目で最も有名なものがRDL(ルーマニアンデッドリフト)かと思います。
この種目は非常に重要な種目で、個人的には下肢の種目で最も大切な種目に位置づけています。
理由はヒップヒンジそのものの種目だからです。
ヒップヒンジとは立位での股関節の屈曲・伸展の動きです。
股関節を蝶番のように動かすことから、この様に呼ばれています。
デッドリフトだけではなく、スクワットやベントオーバーロウでもヒップヒンジは必須の動作です。
もっと言ってしまうと、ヒップヒンジができていないとウェイトトレーニングはまともにできていないと言っても過言ではないです。
そういった意味で、RDLはまず最初に覚えていただきたい種目の一つです。
トラップバー(ヘックスバー)と呼ばれる特殊な形をしたバーで行うデッドリフトもあります。
こちらはバーベルよりも身体の中心に重りがくるため、腰部への負担が少なくお勧めのデッドリフトです。
最近は置いているジムも少しずつ増えているようです。
それ以外にもクリーンやスナッチに繋げる為に、スタート時に上体を起こしたクリーンデッドリフトや、背中に効かせる為に胸椎伸展と肩甲骨内転を強調したフォームのデッドリフトなどがあります。
個人的にはRDLやクリーンデッドリフトは下半身の日に、胸椎伸展を強調したデッドリフトは背中の日に入れれば良いかと思います。
※そもそも胸椎伸展や肩甲骨内転を極端に強調したフォームは腰椎過伸展のリスクと、そもそも余り効果的ではないと考えているので、行うことはほとんどありません。
他にも自己満足種目の極みであるトップサイドデッドリフトなどもありますね。
主観ですがトップサイドデッドリフトを勧めてくる大半の方は、ヒップヒンジができていなく正しいデッドリフトが行えていない方が多いです。
床からのデッドリフトが危ないと言う人も同じですね。
何故できないかが御自身で理解されていない方が多いです。
一般の方なら仕方ないですが、プロのトレーナーにもこんな認識の人がいるから困ったものです。
今回のまとめ
血と血で洗うデッドリフト抗争をなんとかこの手で止めようと思い今回コラムを書いたのですが(大袈裟)、結論どっちも正しいにたどり着いたかなと思います。
どの種目でもそうですが、自分自身でしっかりやり込みつつ、解剖学的視点でトレーニングを捉えることが大切かと思います。
デッドリフトは正しく行えば、ボディメイクにもパフォーマンスアップにも大きく貢献する種目です。
何より床から高重量をガツンと持ち上げるデッドリフトはアドレナリンもテストステロンもドバドバ出そうでテンション上がりますよね!!
上がらない貴方はまだまだデッドリフトのやり込みが足りないでしょう!
是非、これを機にデッドリフトの沼にハマってください。
フォームに自信の無い方は最初はプロのトレーナーに教えてもらうことをお勧めします。
ちなみに名古屋でデッドリフトのフォームを取得したい方はGOODSUNPLUSが猛烈にお勧めです。
宣伝大事。
皆様、素敵なデッドリフトライフをお過ごしください!
山口
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