2021.03.25
コラム

【筋トレ】デッドリフト うんちく編

こんにちは。名古屋で3店舗パーソナルトレーニングジムを経営している自称「日本で3番目に暇なオーナー兼プレイヤー」の山口です。
今回は僕が大好きなデッドリフトに関して解説していきたいと思います。
ちなみにデッドリフトの指導テクニックも「日本で3番目」の自負があります。

【目次】ご興味のある記事からお読みください
■そもそもデッドリフトって何処の筋肉を鍛えるトレーニングなの?
■背中にバキバキの筋肉痛くるんですけど!!
■遅発性筋肉痛はネガティブがキーポイント!!
■デッドリフトからの派生種目はどうなの??
■今回のまとめ

「デッドリフト何処鍛える問題」は古来からトレーナーやトレーニーの間でしばしば意見が対立します。
かたや「デッドは背中に決まってんだろ!」「背中デカいやつは総じてデッドも強い!」、かたや「機能解剖やバイメカ知らない脳筋が!デッドはどう考えても脚の種目だろうが!!」「LowerPullの種目に決まってんだろ!素人が!!」っとボディメイク系に傾倒している方と、パフォーマンストレーニングに傾倒している方との間で、モンタギュー家とキャピュレット家もビックリの血で血を洗う抗争が勃発しております。
※モンタギュー、キャピュレットは名作「ロミオとジュリエット」からの引用です。そもそもそこまで争いも起きてはいません。

デッドリフトに限らずですが「メインで鍛える筋肉=主働筋」を考える時は、
・最も大きい関節運動を起こす筋肉の中で最近位のもの
をメインと考えると良いかと思います。
例えばベンチプレスで考えると、動作としては肩関節の水平屈曲と肘関節の伸展です。
最も大きい関節運動は肩関節の水平屈曲で、その働きを担っている筋肉で身体の中心に最も近い筋肉は大胸筋です。
つまりベンチプレスの主働筋は大胸筋と定義づけられるわけです。
これをデッドリフトに当てはめて考えると、動作は股関節の伸展、膝関節の伸展、肩関節の伸展です。
その中で最も大きい関節運動は股関節の伸展です。
股関節の伸展は大臀筋とハムストリングスの2つの筋肉が担っていますが、身体の中心に近いのは大臀筋です。
つまりデッドリフトの主働筋は大臀筋と定義づけられるわけです。
結論、デッドリフトの主働筋は大臀筋、めでたしめでたし。
っとパフォーマンス系の人達が正しかったという事で終わるのは簡単なのですが
待てよ!?

■背中にバキバキの筋肉痛くるんですけど!!

そうなんです。普通に考えたらデッドリフトはケツがメインの種目です。
LowerPullが正しい分け方なんです。
しかし、ケツハムにも来るんですがそれ以上に背中に来るんですよ。
筋肉痛が。
デッドリフト背中派は恐らく自分でデッドリフトをやりこんだ結果、デッドは背中の種目だという結論に達したのだと思われます。
私も主働筋は大臀筋という認識はありますが、デッドリフトは比較的背中の日に組み込む事が多いです。
だって背中めっちゃ疲労するから…
では何故背中に筋肉痛がくるのでしょうか?

■遅発性筋肉痛はネガティブがキーポイント!!

ウェイトトレーニングで長く残る筋肉痛はエキセントリック収縮(遠心性収縮)、筋トレ界においてはネガティブワークという運動で起こります。
どういった運動かというと、重りを持ち上げるときでは無く、重りをコントロールしながら降ろす時。
例えばスクワットであればしゃがむ時、ベンチプレスであればバーベルを胸に降ろす時、デッドリフトであればバーベルを床に降ろす時です。
この時、筋肉にはストレッチ方向への負荷が掛かるのですが、このストレッチ方向への負荷こそが筋繊維に微細損傷という目に見えない細かな傷を負わせます。
その傷を回復させた結果、筋繊維は以前より強く太くなるわけです。サイヤ人みたいなものですね。
デッドリフトの場合は背中が重りに負けてしまうと、背中が丸まり怪我の危険性が一気に高まります。
なので、背中を丸めない為にも常時背中の筋肉で肩甲骨を正しい位置にキープする必要があります。これをパッキングと言います。
数ある種目の中でも最も高重量が扱える種目の一つであるデッドリフト。
他の背中の種目では掛ける事のできない高負荷が、関節運動を起こしていないとは言え動作のほぼ全局面で背中の筋肉に掛かってくるわけです。
背中が発達しない理由がないですよね。
以上の理由から私はデッドリフトを背中の日に入れる事が多いです。

■デッドリフトからの派生種目はどうなの??

デッドリフトの派生種目で最も有名なものがRDL(ルーマニアンデッドリフト)かと思います。
この種目は非常に重要な種目で、個人的には下肢の種目で最も大切な種目に位置づけています。
理由はヒップヒンジそのものの種目だからです。
ヒップヒンジがまともにできないと、下肢の種目は必ずと言っていいほどエラーが出ます。
そういった意味で、RDLはまず最初に覚えていただきたい種目の一つです。
それ以外にもクリーンやスナッチに繋げる為に、スタート時に上体を起こしたクリーンデッドリフトや、背中に効かせる為に胸椎伸展と肩甲骨内転を強調したフォームのデッドリフトなどがあります。
個人的にはRDLやクリーンデッドリフトは下肢の日に、胸椎伸展を強調したデッドリフトは背中の日に入れれば良いかと思います。
※そもそも胸椎伸展や肩甲骨内転を極端に強調したフォームは腰椎過伸展のリスクと、そもそも余り効果的ではないと考えているので、行う事はほとんどありません。

忘れていましたが自己満足種目の極みであるトップサイドデッドリフトなどもありますね。
主観ですがトップサイドデッドリフトを勧めてくる大半の方は、ヒップヒンジができていなく正しいデッドリフトが行えていない方が多いです。
床からのデッドリフトが危ないと言う人も同じですね。
何故できないかが御自身で理解されていない方が多いです。
一般の方なら仕方ないですが、プロのトレーナーにもこんな認識の人がいるから困ったものです。

■今回のまとめ

血と血で洗うデッドリフト抗争をなんとかこの手で止めようと思い、今回コラムを書いたのですが、結論どっちも正しいにたどり着いたかなと思います。
デッドリフトは背中の種目と主張する人は、もう少しロジカルに主張する必要があるし、下肢の種目だと主張する人はもう少し御自身の身体でやり込む必要があるかと思います。
ちなみに僕は聞かれたら「身体後面全てを鍛える種目」という大雑把な答え方をします。
ちょとプロっぽく答える時は「ポステリオールチェーン」を鍛える種目だと言います。
ご参考までに。